大鯛
5月が終わって6月にもなると鯛も産卵を終え、脂が抜けてきます。磯釣りをしていると、時として大鯛が釣れることがあります。3キロクラスから8キロクラスまで釣るとなると大変ですが、大敷網(定置網漁)にこの時期に大鯛がかかります。雄の大鯛は雌の大鯛を2~3尾連れ添って泳いでいるものです。ですから、雄の大鯛を釣ると続けて大鯛がかかるのです。雄の大鯛の後を追ってついて行くので連続で釣れるのではないかと思います。
春先の大鯛の料理
釣るには最高の獲物ですが、食べるとなるとレパートリーが狭まります。1,5~2キロクラスが一番味が良いとされていますので、大きくなると身は硬くて刺身では歯が立たないほどです。切り身にしてつけ焼きにするか、塩焼きか、フライにしても美味しいです。吸い物にしても良いと思います。私はブリ大根ならぬ鯛大根を作ります。
鯛大根
この時期の大根は、冬とは違って硬くて旨みも少ないのが少し気になりますが、一緒に御坊をいれて作ります。予め大根のあく抜きを兼ねてボイルしておきます。鯛は塩を振り、余分な水分と臭いや鱗、汚れなどを霜降りして取り除いておきます。厚手の鍋に御坊、大根を敷いて鯛を乗せて、砂糖、味醂、濃口、酒を同割りで入れていき、水を入れてヒタヒタ位にして、アルミホイルをかぶせて強火で焚いて行きます。強火のまま20分位炊いて行くと大根も柔らかくなり、煮汁も煮詰まって少なくなるので、最後の方は煮汁をお玉で回しかけながら煮詰めていって完成です。
鯛の栄養効果
鯛は良質なたんぱく質が豊富で、免疫力を高める効能があります。また脂質、DHAの含有量が多く脳を活性化し、認知症の予防にも効能があるとされています。さらに、鯛にはEPAも含まれていて、血液中のコレステロールを減少させたり、血液をサラサラに保つ効能があるので、小さなお子様からご年配の方々まで幅広くカバーする優れた食品です。
年中水揚げがある真鯛
真鯛は産卵時期の春先が脂もあり、春という季節もあいまって引き合いが多く、値段も158円/100g~280円/100gまでしますが、時期をずれると特に大鯛は安く取引されます。スーパーでも安く売りに出していますので、アラの良いものがあったら季節の野菜などと炊き合わせてみると良いおかずになります。そしてアラからは品の良い美味しいダシが出ますので、吸い物を味わって高級魚をしっかり味わってほしいものです。