絶品!サバの刺身
正月明けから節分までを寒中と呼んでいて、この時期はとても寒さが厳しく、海も大荒れで魚にとっては試練の時かもしれませんね。深い海の底でじっと我慢をしているのでしょうか。凍てつくほどの寒さが魚の脂肪を増やし、身を引き締めてくれるので、刺身はとてもお勧めです。その中でも特に「サバ刺し」はおすすめで、刺身で食べるならこの時期しかないといってもいいほどの旨みがあります。
大トロにも引けを取らないほどの旨み
鮮度の良いサバをおろすと、真っ赤な身がプリプリで身にうっすらと白っぽくサシが入っているのが分かります。独特の脂の旨みがあり、どんな魚にも負けません。サバは生き腐れと言われるほど鮮度落ちが早いため、扱いが難しい魚です。サバと聞いて、中にはアニサキスを心配する人もいらっしゃるでしょうが、危険な箇所を除いてやれば大丈夫です。生の刺身なら”朝獲れ”が条件で、一日経ったモノならシメサバが良いでしょう。アニサキスを注意する部分は、血合いと砂ずり(腹の白い部分)です。どの魚も一緒ですが、魚の肛門のあたりは注意が必要です。肛門部分を含めて切り離すようにします。
サバ刺しの造りかた
サバを三枚におろして腹骨をすきとり、頭のほうから薄皮を指先でつまんで引きはがします。血合いを切り取り背、腹と刺身に切っていきます。サバは大きいものを買い求めましょう。脂、旨みが違います。刺身にできる程の鮮度ならサバしゃぶもいいですね。この時も薄皮を引きはがして、長く短冊にきりわけます。魚は鮮度が命です。冬の寒の時期に食べるサバ刺しは一年の内で一番美味しい時期で一番安全な時期でもあります。
締めサバ
締めるにも朝獲れが最高ですが、一晩たった物は締めて食べます。3枚におろして腹骨を掻いて、まな板の上に皮目を上にして強塩(サバが隠れるくらい)を振り、裏返して身側にも振ります。尾の方を上にして少し斜めに傾けて流れ出してくる水分を逃がしてやります。塩で2時間、そして流水で塩を洗い流して拭き、浮いてきた中骨を毛抜きであたります。そして生酢(好みで昆布を入れたりレモンをいれたりします)に入れて冷蔵庫で40分~1時間。出来上がったら薄皮を剥いで血合いも含めて刺身にします。これもまた美味です。
シメサバの炙り
また、シメサバをバーナーで炙っていただいても美味しいです。アラは吸い物にしていただくと捨てる所がありません。存分にDHAを堪能しましょう。先ほども言いましたが、鮮度が大事です。店頭で見ただけではその鮮度の判別が出来かねます。魚屋もプロです。活きのいいように見せる術を知っていて商売をしていますから、「美味しいサバ刺しを楽しみに待っていたので見繕ってください」とでも言えば刺身にできるいいサバを選んでくれます。この寒の時期しか食べられない”サバ刺”を是非ご賞味ください。