5月t連休も終わり、梅雨が近づいてくるとボチボチアジの脂が乗ってきます。まだ旬にはなりませんが
アジの皮を引いていると「あ、少し乗ってきたかな」と感じます。出刃包丁の背を使って一気に皮を
引くのですが、脂があるとスムーズに皮がひけます。魚は皮と身の間にある脂が旨いので、焼き魚なら
皮ごと(中骨を付けて)、フライでも皮を付けて調理します。旨くなってくると魚が教えて
くれるんですよ。鮮魚の仕事を生業としているとそれを肌で感じるようになります。理屈じゃ
ないです。楽しいですよ。その乗った脂が夏まで上がったり下がったりします。また定置網の
地域ごとに違います。そしてトロ箱の中でも脂の乗りに違いがでます。ですから魚屋さんが一番
よく知っています。対面コーナーがあればお客様の方から声を掛けて仲良くなっておけば
必ずお買い得します。人の顔、性格が違うように魚も違います。毎日触っているので見立ては
ほぼ正確です。ほぼと言ったのは中には「あれっ?」という時があるからです。でも良心的な
魚屋さんなら取り換えてくれますので、ぜひお得意様になっておいた方がいいですよ。アジは
栄養素の中で、他の魚に比べカリウムが多いのが特徴で、カリウムは体内でナトリウム(塩分)
に作用し、アジをを多く摂取するとナトリウムが尿の中に排出され易くなり、そのために
塩の取り過ぎによる高血圧症を防ぐ効果が期待できます。嬉しいですね。
アジは刺身、たたき(小口ネギをまぜて生姜と頂く)ナメロウ、塩焼、煮付けフライなど
レパートリーが広がる魚です。いずれにしても鮮度が味を決めます。冷凍のフライと朝獲れの
フライでは月とスッポンです。お試しください。