青魚は免疫力を高めるスーパーフードです
スポンサーリンク

寒の時期のお勧め魚

新年をを迎えて

2019年、平成最後の正月も過ぎ、当たり前のように毎日が過ぎていきます。当たり前のようで当たり前でないのがここ最近の天気で、雪も降らず時として春を思わせるような穏やかな日々があります。海も穏やかで魚種もある程度確保できているのは幸いです。沖キス、カレイ、ハタハタなどの底引き漁物や定置網で獲れるアジ、イワシ、ヒラマサ、ハマチ、鰆、ブリなどぼちぼち揚がっています。残念なのは冬を代表する味覚「松葉がに」の漁獲高が少なく、高値が続いていることです。

最近の海を取り巻く環境

地球の温暖化による海水温の上昇でカニの漁獲高が減ってきているようです。加えて中国や東南アジアでの需要が増え、価格が高騰してなかなか手が出ないことが実に残念でなりません。今年はエルニーニョの影響なのか穏やかな気候が続くので、海水温も下がりにくい状況なのです。正月が終わると「寒入り」して一年で一番厳しい寒さを迎えるのですが今年は例年と違う様相です。びっくっりするのは、この時期にハマチやヒラマサなどの青物にたまに虫がいることです。

ヒラマサなどにいる薄黄色の虫

私達は虫といっていますが、卸すと身の中に薄黄色い米粒大の胞子状のものが透けて見えます。普通の虫と違って生きているわけではなく、全く動きませんので食中毒になることはないのですが、刺身で食べる時は包丁の切っ先でほじくり出して外すか、その部位を削除して正常な部位だけを刺身にすれば大丈夫です。特に旬を迎える夏前の「小ヒラ」に多く見かけられます。あまりにも多く散らばってある時は刺身をあきらめて切り身でフライにするか焼いたりして加熱すれば全く問題ありません。

寄生虫の危険がある高級魚ヒラメ

長年魚屋をやっていますが、寒の時期にこの手の虫がいたことは記憶にありません。思うに海水温の上昇が大きく影響しているのではと考えます。そういえば数年前に養殖ヒラメを食べてクドア食中毒に掛った事例が報告されたことがあります。クドアとは、魚の筋肉に寄生する粘液胞子虫で、餌となるゴカイ等を介して魚に感染すると考えられているようです。クドア属粘液胞子虫は、0℃~10℃の冷蔵庫内では一週間程度生存するらしいので注意が必要です。刺身で食べるならヒラメを-20℃の冷凍庫で半日位凍結して後に解凍して食べるか、又はムニエルなど加熱調理するかして食べれば大丈夫です。余談ですが、今の時期に水揚げされるスルメイカも鮮度が良ければ刺身が出来ますが、スルメにはアニサキスという怖い虫が薄皮と身の間に潜んでいることがあります。心配なら、上身にしてから-20℃の冷凍庫で丸一日以上冷凍後、解凍してから刺身にすれば大丈夫です。

 

寒入りの今こそ食べたい魚

地球温暖化による海の海水温上昇で、魚にもその影響が少しずつ出ているようですが、この寒入りの時期ならではの一押し魚があります。卸すと真っ赤な身が薄く白くなるほどに脂が乗っていて、脂でテカテカと光り輝いているほどの大ぶりの「寒サバ」です。サバは鮮度が命です。朝獲れで、砂ずり部分(腹の部分)が硬く締まっているものを選びたいですね。選ぶ時目の付け所があります。ここを見ればその魚の脂の乗り具合が分かる部位です。何処だと思われますか?それは魚の腰の部分です。サバを真上から見て腹と尾の中間どころが人間でいうところの腰に当たりますが、ここの肉付きがいい(横幅がある)魚には脂があるのです。

寒サバの刺身

寒の時期(正月明けから節分まで)におすすめが刺身です。「サバの刺身」はトロにも負けないほどの旨みがあります。刺身をお勧めできるのはこの期間だけといってもいいほどです。言い換えれば寒の時期が一番脂が乗っていて、身も締まっていてアニサキスの心配もありません。ちなみにサバに寄生するアニサキスは、砂ずり部分、血合い,薄皮を剥いだ時の皮の部分にいる場合が多いです。「秋サバは嫁に食わすな」といいますが、シメサバならよいですが、いくら鮮度が良くても秋のサバ刺は注意が必要です。後で病院に駆け込むことになっては大変ですからね。

サバのDHA

サバと言えばドコサヘキサエン酸(DHA)です。一年を通して、この時期のDHAが栄養的にも効力的にも最高だと思われます。サプリメントにもいいものが出ていますが、遠く及びません。「旨い‼」と感じて摂る栄養は数倍の効力を有すると思っています。丁度この時期は受験生にとっては大事な追い込みの時です。DHAは脳の活性化を促し、血液の流れをスムーズにしてくれますので正にうってつけの食材です!また、今年もインフルエンザの流行が危ぶまれていますが、ドコサヘキサエン酸(DHA)が、インフルエンザの予防や、悪化の抑制にも応えてくれるという研究結果が出ているようですよ。老若男女を問わず、特にこの時期はサバをはじめとする青魚を食べて健康維持に努めたいものです。そういえば「サバ缶詰め」が大ヒットしたばかりですよね。そのせいでサバ缶の供給が間に合わなくなったようですが。青魚を食べて健康な一年を過ごしましょう。

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました