待ち遠しかった芽カブ
2月になると芽カブの入荷が始まります。芽カブとは、ワカメの根っこの部分。海中で1~3mまで成長するワカメですが、旬は寒の頃から4月の間です。出荷順に葉の方のワカメ、そしてワカメの芯の部分の茎ワカメ、最後に出回るのが、わかめの根っこのひだひだ状の芽カブです。これが旨いのです。包丁で叩けば叩くほど粘りが出てきて納豆のようなかんじです。細かく刻んだ芽カブを三杯酢で食べるのが私の好物です。
芽カブの驚くべき効能
芽カブは黒褐色で硬いですが、食物繊維のアルギン酸やフコイダン、ミネラル、ビタミン等を多量に含んでいるので、健康食として俄然注目を浴びるようになりました。その中でも特筆すべきが、特有のネバネバ成分であるフコイダンと呼ばれる成分で免疫力を高める効果があります。現在もフコイダンに関して壮んに研究が進められていて、抗がん作用、コレステロール低下作用、血圧低下作用、抗ウイルス作用などさまざまな生理機能が解明されています。
的を射た自然界のサイクル
丁度この頃はインフルエンザがはやる時期で、今年は特に流行しているようですが、この時期に旬を迎える芽カブは、まさにインフルエンザのウィルスに対抗するかの如く売り場に現れてきますね。自然界は実にうまい具合にできていると思います。丁度のタイミングで旬を迎えるのですから食べない手はありません。そうでない方は、冬の間の運動不足や食べすぎによる崩れた体調をこの芽カブの栄養素の力で回復できます。今では求めようと思えば形は変わりますが、フコイダンを含む食品はいつでも手に入ります。
他の食品との組み合わせ
芽カブは様々な効果が得らる優秀な食品であることはわかっていただけたと思いますが、生活習慣が乱れがちな働き盛りにこそ摂って欲しい食品です。わかめのみそ汁は、食物繊維と発酵食品の代表的な組み合わせですよね。わかめに含まれるビタミンKと大豆に含まれるイソフラボンが骨を強くしてくれるんです。ですから同じネバネバの芽カブと納豆はいい組み合わせです。高い栄養価を持つことで知られる納豆ですが、めかぶと組み合わせることで便秘や体臭改善には効果抜群で、他に腸内環境を整えてくれることから、便秘解消や肌荒れ改善にも効果があります。芽カブと同じようなネバネバ成分を持つ食品としてオクラ、納豆、山芋、なめこなどがありますが、いずれも腸粘膜を丈夫にして免疫力を高めてくれる働きがあります。
摂り過ぎには注意
芽カブは水溶性の食物繊維を多く含んでいるので便秘に効果はあるのですが、食べ過ぎると下痢となりかえって逆効果です。芽カブにはヨウ素というミネラル成分も含まれています。ヨウ素が不足すると、甲状腺ホルモンが不足し、新陳代謝が悪くなったり、精神発達の遅れなどが生じてくることがあるようです。しかし、取り過ぎると逆効果で甲状腺肥大など悪影響を及ぼします。健康な方が取り過ぎてもすぐに体外へ排出してくれるようですが、慢性的に摂りすぎると問題のようです。スーパーで売っているカップ入りのものを一日一回、一日おきで十分なようです。なお、大豆にはヨウ素の過剰摂取による悪い影響を防ぐ働きがあるので、味噌・醤油・納豆・豆腐などの大豆製品と一緒に摂取することで過剰摂取による中毒症を未然に防ぐことができるようですよ。
これから始める健康的な食生活
小さいお子様はもちろんのこと、妊婦さん、働き盛りのかたに至るまで老若男女を問わず、身体に良い食品を普段の食事に取り入れることによって、先々の健康を先取りして備えることで現代病と言われる生活習慣病を予防しませんか。