サンマは巨大な群れをなして移動する
サンマは北太平洋、日本海に広く生息する回遊魚で驚くことに数百万から数千万尾もの大群で回遊するそうです。ちょっと想像がつかないほどの数ですが、それにしては水揚げが減っているのは納得がいきませんね。海水温の上昇で移動の緯度を北へ移したのでしょうか。となれば、北方4島あたりでは豊漁なのではと想像してしまいます。サンマは夏に千島沖に集結して、8月下旬に入ると日本列島に沿って南下を始める事は知られています。
サンマは成人病の救世主か
青魚の脂は身体によい影響を与えることは周知のことですが、その中でも秋の味覚”サンマ”は、脳の障害を防ぎ頭を良くすると言われる必須脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)や心臓病や動脈硬化を防ぐと言われるEPA(エイコペンタエン酸)の含有量でもトップクラスです。さらにサンマにはビタミンEも豊富で、血管の健康を保ち、毛細血管の血流を良くする働きがあることが分かっています。肩こりや冷え性にも効果的で更には血流をよくすることから肌荒れ予防にも効果的です。また、ビタミンEには前立腺ガンや胃ガンの予防効果を示すデータもあります。この貴重なビタミンEの働きを助けるのがビタミンCで、これらを同時に摂取するとより効果があることがわかっています。「サンマの塩焼きにスダチを添える」のはまさに理にかなっているのです。サンマは成人病予防のための食材と言ってもいいほどの栄養分を持ち合わせているので、旬のこの時期、しっかり食べて夏バテ防止から冬シーズンに向けての体力造りには欠かせない青魚です。
塩サンマでも、缶詰でも栄養分は摂れる
水揚げが減ってきたサンマですが、旬の生サンマを筆頭に、塩サンマや寒風干し等多彩な商品がスーパーに出回っています。主食の御飯は栄養バランスの取れた食材ですし、サンマをはじめ青魚のメニューをおかずに加えた献立を組み、それに発酵食品の味噌汁、漬物、野菜の煮物など、「一汁三菜」を意識した和食を心掛ければこれ以上ない健康食だと思います。この「一汁三菜」を1日に一回摂るようにするだけでもかなりの効果が期待できると思っています。