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サンマの王道”塩焼き”

サンマの塩焼き

私は魚大好き人間で、特に青魚が好きです。毎日魚を取り扱っていて隅から隅まで見ているので、その良し悪しを判断する目は自然と身についてきます。十数年やっていても魚を飽きないですね。毎年この時期に獲れるサンマは楽しみの一つです。サンマと言えば塩焼です。塩焼なら身も内臓も両方味わえて、そのほろ苦い旨甘みがこたえられないです。塩焼きを美味しく頂くコツは
1.鮮度 2.大きさ 3.使う塩の種類 4.下処理の仕方 5.焼き方 ですね。この時期に居酒屋のメニューにはなくはならないのが、”サンマの塩焼き”です。もうこの時期の定番中の定番です。美味しいサンマをほうばりながら飲むビールは格別です。

サンマの見分け方

ほとんどの場合、サンマは水氷で空輸かトラック便で移送されますが、殺菌海水で締めたものや、ただの海水氷を発砲のトロ箱に入れてあるものなどがあり、店のスタッフ以外にはわかりません。当然殺菌海水で締めて、殺菌海水氷で運ばれたものの方が、鮮度落ちはゆっくりになり、それだけ状態もいいです。生サンマですから、くちばしは黄色で、逆に塩サンマは黄色が落ちています。サンマは大きくて、頭の後ろがボッコリ盛り上がっている物が良く、銀色に光っているものを選びます。鮮度がよければ小さな青い鱗が背の方についているので、それも見分ける一つの目安です。
 

焼く前の下処理

まず、流水下で背に付いている鱗をこそげて取ります。水分を拭きとってから塩を振っていきますが、右手に塩を持ち、手を高く上げた状態で死を振っていきます。左手にはサンマです。表裏まんべんなく振っていきます。それをバットに置いて、頭を下にして少し斜めに角度をつけて10分放置してやるとサンマから臭みを伴った水分が出てきます。そして布巾で拭きとり、今度は化粧塩を振ってやり、すぐに焼きます。

家庭のサンマが専門店にかなわない理由

最近の家庭ではオール電化はやりで、グリルで一度に表裏両方焼きあがりますが、上火で焼くと魚の水分を飛ばしながら焼くことになるのでよくありません。下火で、なおかつ遠火の強火がベストです。更に表4分を焼いて後で裏を6分焼いて焼き目をつけていきます。表一回裏一回ずつ焼いて出来上がりです。昔から「魚は大名に焼かせろ」と言いますが、何度もひっくり返しては身が崩れてしまうので、おうような殿様に焼かせれば丁度いいというわけなのです。

更に専門店が使う備長炭

備長炭と聞いて思わず焼き鳥を想像する方もいらっしゃるでしょうが、実は魚を焼くときも備長炭が都合がいいのです。焦げてはいけないのですが、備長炭で焼くと魚の焦げも苦くないのです。備長炭は火力が強く、長持ちし、炎が出ないので焼き物にはうってつけなのです。余談ですが、炭で沸かしたやかんの湯はガスで沸かした湯より湯冷めがおそいのです。つまり、遠赤外線効果なのだと思います。焼き物にもこの遠赤外線が都合がいいわけです。

使う塩

魚を焼くなら最低でも粗塩です。できれば天然塩があればいいです。そして、魚に振る前にフライパンに入れて軽く炒めて水分を飛ばした焼き塩を使えばなお一層美味しく焼けます。作り置きして小瓶に入れて炒ったお米(乾燥材の役目)を少し入れておけば暫くは持ちます。湿ってきたら再度炒めてやればいいです。使う塩にも一工夫するだけでサンマの塩焼きが段違いにおいしくなります。一流の専門店になればわざわざ店内で「特別な塩」を作っています。一味も二味も違うのは隠れた見えない所での心使いです。貴方も美味しいサンマを焼いてみませんか。

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