ずーっと雨模様ではっきりしない空模様でしたが、久々に晴天が続くという予報が出た途端に大敷網
(定置網)に魚が入った様です。わずかな海水温の上昇で魚が活発に活動し始めたらしく、魚も人間も
同じだなと感じています。この時期ですから鯛、サヨリ、アジ、イサキ、ヒラマサ、ハマチ、石鯛、
バライカ(イカの小さいもの)、手無しイカ(ヤリイカ)、サザエ、他に巾着網(底引き)で上がる
タラ、水ダコ、カワハギ、沖キス、のどくろ、そしてはえ縄漁で上がる連子鯛、甘鯛など今日は久々に
季節の魚勢ぞろいでした。ずーっと魚屋をやっていると、これが獲れないろと春が、夏が来ないよね
という魚が恋しくなるんです。お勧めは旬の魚、朝獲れです。その中でアジという魚は季節により
味も型も違っているのですが、一般的には旬は春先から夏にかけてが脂が乗って美味しいのですが、
獲れた場所、大きさ、またトロ箱の中においても1匹ずつ脂の乗りが違うのです。
大きなアジが脂が乗っているの思いがちですが、春先から初夏にかけては小さなアジの方が脂があります。
ただ鮮度落ちは小さなアジが早く、できればその日のうちに食べきる方がいいでしょう。
小さなアジは3枚におろして腹骨をすいて血合い部分の小骨をあたり、皮を引いて刺身で食べると
脂の乗りがわかります。小さく刺身で切らずに豪快に片身ずつ口にほうばると堪能できます。
また、朝獲れの小アジのフライは一味違いますので一度お試しあれ。同じ魚を食べる時の美味しい順位
があって、一番が釣った魚、二番目が朝獲れの魚です。しかも格段に味の違いがあります。釣りの好きな
方は良く知っていらっしゃると思いますが、釣ってすぐその場で活締めして血抜きしたものは市場でも
高値で取引されます。店頭でも活締めものも並んでいますから魚屋さんに聞くと喜んで教えてくれますよ。