温暖化の影響で脂の乗りが遅れています
正月も終わり寒に入りましたが、気温は一向に下がりません。年末に好天が続いたせいか気温が高く海水温も高いようです。直接海へ行って確かめたわけではありませんが、漁師さんが言うから間違いありません。手の冷たさが違うらしいのです。また、水揚げされてきた魚にも異変がおこっていて卸してみると脂の乗りがかなり悪いのです。昨年の12月下旬になっても天然ブリなどは身が真っ赤で脂が全然ない状態だったのです。
1か月遅れる脂の乗り
年末に駄目だった天然ブリは1月末頃には脂が乗ってくるのではないかと思っています。節分荒れがありますし、1月下旬頃から気温が下がると長期予報が出ているからです。年末の天然ブリは需要が大きいので値もつりあがるのですが、歳を越して正月が過ぎればガクンと値がおちます。誰も正月に大金を使っていますので高いブリは敬遠されるからです。売れないから仲買人はセリで買いません。買い手がつかなければ値が下がります。ましてや大漁だったら増々値が下がります。
値が下がったブリは食べ頃です
例年ですと正月明けから3月初旬頃まで脂がありますのでこの時期に鍋を囲むのです。脂の乗ったブリシャブは最高です。昆布でダシを取って後はブリから脂が出るので良いダシになります。豆腐やネギ、えのき茸などを入れてもいいでしょう。早いがいい人は野菜にレタスを使うと直ぐ火が通るので簡単でいいですよ。付けダレはもみじポン酢がおすすめです。
ブリシャブのブリの厚さ
ブリはなるべく長めに薄く切っていきます。薄めといってもダシの中でシャブシャブと振ったら外側が白く身の中がうっすらピンク色になるくらいの厚さです。刺身の厚さの1/2程度でしょうか。火入れの具合は肉で言う所のミディアム位でいいと思います。口に入れた時おぼろに身が暖かい位が美味しいのです。冷たさを感じたり火が通ってしまっているのはNGです。
天然ブリでも養殖ブリでも美味しいですから是非お試しください。カンパチでシャブシャブしても大変美味しいです。この時期ならではのご馳走を存分に堪能してください。
ブリは縁起が良く栄養も豊富
ブリは出世魚で、ここ山陰では小さいものから「ヒデリコ」➡「ツバス」➡「ハマチ」➡「マルゴ」そして4キロを超えると「ブリ」と呼んでいます。出世する程に大きくなり縁起の良い魚とされていて、栄養面から行っても優秀な魚です。
ブリは脂質が多く、特にお腹の部分(砂ずり)は脂の乗りが良くDHA,EPAが豊富に含まれています。血液中の脂質を減らし血栓ができるのを防ぐので動脈硬化の予防に役立ちます。またビタミンEが豊富に含まれていてこれが抗酸化作用の働きをしてDHA,EPAの酸化を抑制するため老化防止にも役立ちます。一般的に嫌われる血合い部分の方がより栄養素が含まれていて鉄、ミネラル、タウリンが豊富に含まれていますので煮付けたり焼いたりして食べることをお勧めします。