冬の底引き漁
沖キスは底引き漁ではなじみの魚種で、煮付けても焼いてもフライにしても大変美味しい魚です。しかし、痛みの早い魚で、お刺身で食べることはまずありませんが、獲れたてなら刺身で食べることが出来、甘みのある身なのです。これは厳しい寒さの中、命がけで漁をする漁師さんだけの特権です。
沖キスの目利き
底引き漁の常連の魚で、トロ箱に下氷状態で一杯入って入荷します。身の柔らかい魚で、特に腹の部分が弱いので扱いは慎重に行います。大きさにもよりますがパック当たり2本~10本入れてg100~160円位で売られています。 この時期水洗いすると脂がしっかりあり、オキアミを食べて大きくなっているのがわかります。 新鮮なうちは鱗がビッシリついていて、身も目も光沢があるので良く選んで買ってください。艶があり、特に目が光っているものを選べば間違いないでしょう。
料理レパートリーの多い魚
沖キスは庶民派の魚で、お買い求め安い価格でしかも料理の種類も色々楽しめる魚です。まずはフライです。 頭と内臓を除いてから 塩コショウしてパン粉を付けてフライにするおなじみの定番です。白身の甘みの強い身ですからカリッとした食感も相まって食が進みますよ。中骨ごと揚げるのが美味しく食べるコツです。魚は骨から旨みがでるのです。
沖キスの煮付け
同じく頭と内臓を除いてからサッと熱湯をかけて臭みを取ってから煮付けます。私は酒と味醂と濃口で煮つけますが、お好みで砂糖を入れて甘辛くした方がお子様受けがいいですね。身離れが良くて美味しくいただけます。
沖キスの唐揚げ
沖キスの頭と内臓を除いて下処理後に唐揚げ粉をまぶしてあげてもおいしいです。揚げたてはビールのつまみに最高なのです。
沖キスの塩焼
沖キスは干物として売られていることが多いですが、生ものが安く手に入ったら自家製の一夜干しを作ってみるのもいいですよ。下処理した沖キスを5%の塩水に30分漬け込んでから引き揚げ、水分を取ってそのまま一晩寒風干しすれば出来上がりです。これを焼いて食べてもいいですし、一夜干しをから揚げしてもいいです。旨みがあって癖がない沖キスはどんなレシピにもこたえてくれます。
沖キスの栄養
安くて料理のレパートリーも広がる有難い沖キスは、栄養面でも優れものです。EPA,DHAの効能はもちろんのこと、他にも有用な栄養分を豊富に含んでいます。骨や歯を丈夫にしてくれるカルシウムやリン、マグネシウムなどを含み、カリウムが多く含まれているので疲労回復や利尿作用、高血圧の予防に役立ちます。また、ビタミン12を多く含んでいるので動脈硬化や、心筋梗塞、脳梗塞、アルツハイマー病の予防にも効果があります。庶民的な魚でありながら栄養価抜群の沖キスを是非見直してください。